顧客の概要
顧客は、低侵襲手術向けのコンピュータビジョンシステムを開発している、欧州の大学・アカデミックAI研究グループ。開発モデルは、腹腔鏡手術の動画を分析して、手術操作や手術器具と解剖学的構造(臓器・組織)との相互作用を理解する。内視鏡手術中に、手術器具の検出、解剖学的構造の識別、および一連の手術操作の解釈を行うモデルを学習させるため、高品質にアノテーションされた手術データが求められている

ビジネス課題
・ 正確なラベリングに必要な外科的専門知識: 腹腔鏡の視野には複雑な手術器具や解剖学的構造が含まれており、医療の専門知識を持たないアノテーターがそれらを判読することは困難であること。
・ 多層的なアノテーションワークフロー: データセットには、インスタンスセグメンテーションに加え、手術器具・アクション・解剖学的構造を紐付ける「トリプレットベース」の相互作用アノテーションの双方が求められたこと。
・ スケーラビリティの制約: 高度な専門知識と一貫した品質の双方が求められるため、規模の拡大が困難であること。大規模アノテーション作業のために、常勤の放射線科医や医師を確保することは非常に困難。
プロジェクト詳細
手術器具、解剖学的構造、および一連の手術操作を理解するAIモデルを支援するため、腹腔鏡手術動画におけるインスタンスセグメンテーションおよび相互作用アノテーションを実施した。
・ データタイプ: 腹腔鏡手術の動画フレーム
・ タスク: 手術器具と解剖学的構造のインスタンスセグメンテーション、トリプレットベースの相互作用アノテーション
ソリューション
1. 医療ガイドラインの翻訳・伝達レイヤー
正確なラベリングには外科的知識が必要であるため、医師による監修レイヤーを導入した。手術プロトコルや実例を明確なアノテーションガイドラインに翻訳し、訓練を受けたアノテーターが手術器具、解剖学的構造、手術中の相互作用を確実に識別できるようにした。
2. 構造化されたセグメンテーションと相互作用アノテーションのワークフロー
多層的なアノテーション要件に対応するため、手術器具と解剖学的構造のインスタンスセグメンテーションと、手術操作を表すトリプレットベースの相互作用アノテーションを組み合わせたワークフローを構築した。これにより、フレーム間を横断して、器具と生体組織の相互作用の一貫した解釈を保証した。
3. スケーラブルな医療アノテーション人材モデル
全作業負荷を外科医だけに依存することなく、大量の腹腔鏡動画フレームを処理するため、ハイブリッド型の人材モデルを採用した。
• 訓練を受けたアノテーターが、セグメンテーションと相互作用のラベリングを担当。
• 医療アドバイザーがガイドラインの明確化と品質保証(QA)レビューを支援。
この体制を構築することで、医療水準の正確性を維持しつつ、大規模なデータセットの生産を実現した。
使用技術

主な結果




